近年、子どもたちを取り巻く生活環境は、下記のように多様に変化しています。これらの変化は、子どもたちが外あそびをするのに必要な空間・仲間・時間(3つの間:サンマ)の不足をもたらし、多くの子どもたちにとって、日常的な外あそび体験の確保が難しくなっていると考えられます。

  • 安全管理の責任問題、人手不足、近隣住民の理解の欠如などによる、学校における校庭開放の制限、公園でのあそびのルールの厳格化
  • 都市化、地域社会の変化による、子どもたちのあそび場となる安全な空き地や自然空間、あそび仲間の減少
  • 教育・保育の現場、学童保育や児童館などにおける、指導者の外あそびや自然活動に関する知識の不足
  • 塾や習いごとに費やす時間の増加
  • ゲームやデジタルデバイスの過度な利用と、子どもたちのあそび内容の変化
子どもたちを取り巻く生活環境

外あそび時間は急激に減少

2016年に実施された、小学校高学年を対象にした調査によると、子どもたちが外あそびに費やす時間は、1981年の2時間11分から、2001年には1時間47分、2016年には1時間12分と、35年間で30%以上減少しました。

2009年度から2018年度にかけ、1歳〜6歳までの保育園に通う幼児を対象に、外あそびの時間を調べた調査※2(詳細はこちら)においても、年齢、性別に関わらず、その平均値は概して30分以下となっていました。また降園後の外あそび時間が60分を超える幼児の割合は、男女ともに10〜20%に留まっていました。

保育園幼児の生活活動の時間
(数値は全て平均値)

男児
(N=54,552)
1歳児
(4019人)
2歳児
(5769人)
3歳児
(10643人)
4歳児
(14459人)
5歳児
(13736人)
6歳児
(5926人)
あそび時間 162分 164分 156分 149分 143分 136分
 うち外あそび時間 23分 28分 28分 28分 30分 27分
TV・ビデオ視聴時間 73分 90分 96分 102分 104分 107分
遊ぶ人数 2.1人 2.1人 2.2人 2.3人 2.4人 2.4人
習いごとの数 1.2個 1.2個 1.2個 1.3個 1.4個 1.5個
女児
(N=50,984)
1歳児
(3772人)
2歳児
(5368人)
3歳児
(9902人)
4歳児
(13533人)
5歳児
(12892人)
6歳児
(5517人)
あそび時間 155分 157分 150分 140分 135分 131分
 うち外あそび時間 21分 25分 25分 25分 25分 25分
TV・ビデオ視聴時間 71分 85分 93分 96分 99分 104分
遊ぶ人数 2.1人 2.2人 2.2人 2.3人 2.3人 2.3人
習いごとの数 1.3個 1.2個 1.2個 1.3個 1.5個 1.6個

図:降園後の外あそび時間が60分以上の幼児の割合(%)

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