2021年6月9日、小倉將信衆議院議員の主催により、第4回「子どもの健全な成長のための外あそび推進に関する国会議員勉強会」が開催されました。これまでの勉強会の成果をまとめた『子どもの健全な成長のための外あそび推進に向けた提言書』の案が発表されました。
第4回勉強会に先立ち、5月28日に発表された「Children First の子ども行政のあり方勉強会」の『こども庁創設に向けた第二次提言~Children First の社会の実現に向けて~』において、外あそびの推進が政策アジェンダに追加されました。それを受け、第4回議員勉強会には、上野賢一郎衆議院議員、田畑裕明衆議院議員、穂坂泰衆議院議員に加え、「Children First の子ども行政のあり方勉強会」事務局の自見はなこ参議院議員のご参加をいただきました。政府からは、内閣府、厚生労働省、文部科学省、スポーツ庁、環境省、国土交通省の出席をいただきました。
冒頭、自見はなこ議員より、こども庁創設決定の経緯と、議論が進められている政策課題について発表をいただきました。2019年12月に施行された「成育基本法」(略称)に端を発し、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの女性や子どもが厳しい状況に置かれていることを受けて議論が本格化したこと、検討開始に当たっては、広く一般にオンラインアンケートを行ったことなどが紹介されました。
また、こども庁に関わる議論の中で参照されているUNICEFのレポートにおいて、日本の子どもたちは、身体的な健康水準が世界1位であるのに対し、精神的な健康は37位であったこと、外あそびが子どものウェルビーイングに重要であることなどが紹介されました。
次に、前回勉強会に続く好事例の紹介として、NPO法人日本冒険遊び場づくり協会の関戸博樹代表にご講演をいただきました。「冒険遊び場」は、全ての子どもが自由に遊べる場所の確保を目指し、公園などを拠点に無料であそび場を提供する取り組みです。
関戸代表からは、子どもの発育にとって「あそび」が果たす役割は非常に大きいこと、あそびの本質は内発的動機づけであり、政策的な推進に当たってもそれを守ることが重要である、という力強いメッセージをいただきました。加えて、国際連合の子どもの権利条約などの国際的な基準を参照する重要性や、コロナ禍における安全なあそび方に関するIPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)のガイドラインなどにも言及がありました。
最後に、「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」顧問の小倉將信議員より、『子どもの健全な成長のための外あそび推進に向けた提言書』の概要が説明されました。提言書は、外あそびを取り巻く現状および課題、法的整備の必要性に言及したうえ、外あそび空間の整備、人材の育成・確保、子どもと取り巻く大人の意識改革の3つの軸で、必要な対策をまとめています。政府の幅広い領域に関わり、また民間団体を含む様々なステークホルダーの巻き込みが必要であることから、こども庁を主導とする強いリーダーシップが必要なことを強調しています。
「子どもの健全な成長のための外あそび推進に関する国会議員勉強会」は、主催の小倉將信議員をはじめとする国会議員の皆さまや、外あそびを推進する様々なステークホルダーの協力、参加によって可能となりました。全4回の議論を終え、政策提言の発表が間近に迫っています。推進のための政策が提示、制定されたあとも、現場レベルでの実践には根気強い取り組みが必要であると考えられます。「推進する会」は今後も、政策レベルでの働きかけに加え、外あそびの重要性や現場レベルでの課題などについて、啓発活動を続けていきます。