2021年6月3日、小倉將信衆議院議員の主催により、第3回「子どもの健全な成長のための外あそび推進に関する国会議員勉強会」が開催されました。
勉強会には、井上信治内閣府特命担当大臣、上野賢一郎衆議院議員、牧島かれん自民党青年局長、田野瀬太道衆議院議員、田畑裕明衆議院議員、穂坂泰衆議院議員にご参加をいただきました。加えて、内閣府、厚生労働省、文部科学省、スポーツ庁、環境省、国土交通省の出席のもと、様々な形で外あそびを推進する地方自治体、企業、民間団体などから、好事例の紹介をいただきました。
冒頭、「推進する会」の発起人メンバーであるジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンケアカンパニー(JJVC)副社長の森岡茂晃氏より、これまでの会の活動報告、また日本におけるJJVCの、目の健康や「見え方」へのコミットメントについて説明がありました。
次に、学校施設を活用し、全国の小学生に「アフタースクールプログラム」の提供を行う放課後NPOアフタースクールの平岩国泰代表理事に、取り組みについて発表をいただきました。冒頭、社会の変化によって、子どもたちが地域の人々に囲まれてのびのび遊ぶ時間であった「放課後」が失われつつあること、日本の子どもたちは、諸外国と比較して、孤独を感じがちで、自己肯定感が低い傾向にあるといった現状と課題について説明いただきました。放課後NPOアフタースクールは、「放課後はゴールデンタイム」をモットーに、地域の専門家である「市民先生」、ボランティア、企業などとの連携のもと、子どもたちが自由にチャレンジし、自分の長所を伸ばす機会を提供できるよう、多様なプログラムを提供しています。これまでの成果や、今後さらに活動するうえでの課題について、ご共有いただきました。
続いて、子どもたちの権利保障の視点から、居場所やあそび場を提供している地方自治体の好事例として、神奈川県川崎市こども未来局の米井克子課長にご講演いただきました。川崎市は、国際連合で採択された「子どもの権利条約」をもとに、日本の自治体として初めて子どもの権利に関する条例を制定しました。さらに、子どもには「ありのままの自分でいること、休息して自分を取り戻すこと、自由に遊び、若しくは活動する」ことができる場所が大切であること等を定めた条例の規定を実現する場所として、川崎市子ども夢パークを設置し、子どもの意見を取り入れながら、外あそびや体験活動の場を提供しています。
次に、日本サッカー協会所属チームSC鳥取(ガイナーレ鳥取)代表取締役社長の塚野真樹氏より、地域貢献活動として実施している「復活!公園遊び」の取り組みについてご紹介いただきました。2003年からすでに18年も続いている活動で、プロのサッカー選手やクラブスタッフが、学童保育、子ども会、PTAなどのイベントに参加し、「オープンスキル」が必要となる鬼ごっこなどを通して、子どもたちに運動や外あそびの大切さを伝えています。
最後に、子ども向け遊具の企画・製造から、幼児教育のノウハウを活かした街づくりやコンサルティングまで手がける、株式会社ジャクエツの赤石洋平経営企画室課長代理より、ご講演をいただきました。あそびで培われる身体的、社会的、知的、精神的、そして情緒的な側面を最大限に伸ばすため、工夫を凝らした最新の遊具や公園施設の紹介に加え、最新のウェアラブルデバイスを使った子どもの生活実態調査など、遊具メーカーならではの興味深い取り組みを紹介いただきました。
オブザーバーとしては、公益社団法人日本プロサッカーリーグ、日本ボーイスカウト連盟の皆さまにもご参加いただきました。
「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」は、近く第4回の国会議員勉強会を開催し、これまで勉強会で発表された課題や対策の好事例を取りまとめた政策提言を作成予定です。すべての子どもたちがより身近な環境で、安全に楽しく外あそびができる環境を整備するため、取り組みを続けていきます。