2020年10月28日、「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」顧問である小倉將信衆議院議員の主催で、外あそびを推進するために必要な政策的取り組みを検討する勉強会の第1回が開催されました。
井上信治内閣府特命担当大臣をはじめとする7名の国会議員に加え、内閣府子ども・子育て本部、文部科学省総合教育政策局、スポーツ庁、環境省にご出席いただき、外あそびの重要性と、その推進の壁となっている課題について、幅広い議論が展開されました。
オンライン参加した「推進する会」の代表発起人、早稲田大学の前橋明教授より、身体的、社会的、知的、精神的、情緒的の5つの側面で、外あそびが子どもの発育・発達に果たす重要な役割について、講演がありました。健康なからだ、心、そして脳や自律神経機能の発達は、ひいては創造力、前に踏み出す力、やり抜く力、意欲といった、子どもたちの「生きる力」につながっていくという、力強いメッセージでした。
続いて、同じく「推進する会」メンバーのジョンソン・エンド・ジョンソン・ビジョンケア・カンパニープレジデントの森村純氏、社長室の重松裕人氏より、子どもや若者の間で近視が増加していることを示すデータ、および外あそびによって近視の発症を抑制できる可能性についての情報が示されました。さらに、外あそび時間と近視抑制の相関に注目して、外あそび推進を政策的に実施している海外の政府や日本の自治体の事例についての紹介がありました。
最後に、男子400メートルハードルの日本記録保持者であり、「推進する会」メンバーかつDeportare Partners代表の為末大氏より、幼少期に運動を楽しいと感じた経験は、生涯の運動頻度に好影響を与え、健康寿命の伸長、医療費の抑制に貢献すること、子どもが楽しみながらからだを動かす外あそびはその一助になる、とのお話がありました。また、成長期の子どもをもつ保護者としての立場から、特に都心部で子どもに外あそびをさせるにあたっての課題として、公園および学校の校庭開放の活用における制限について言及がありました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大などの影響で、子どもの外あそびや運動の機会が制限され、健康や社会的成長への影響が懸念されています。第1回の国会議員勉強会では、外あそびの重要性と推進の課題について意識を共にすることができました。「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」では、引き続き勉強会を開催し、研究知見や先進的な具体事例の紹介などを通して、外あそび推進に向けた政策づくりをはたらきかけていきます。